VST3.6開発02 – VST3プロジェクトの作成

VST3のプロジェクトの作成

前回は開発環境の準備方法を記載いたしました。

今回はVST SDK 3.6でVST3開発用のVisual Studioプロジェクトを作成方法について記載いたします。

なお、OSはWindows 10 64bitで、Visual Studio 2017 CommunityとVST SDK 3.6.8を使用することを前提としています。(VST SDKは最新版でも問題ないと思います。)
また、VST SDK基本ライブラリは作成済みを前提としております。

プロジェクトの作成

まずはVisual Studioのプロジェクト自体を作成します。
Visual Studioを起動し、メニューから「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」を選びます。

開いたウィンドウ左側のツリーメニューから「VisualC++」→「Windows デスクトップ」を選び、中央の一覧から「Windows デスクトップ ウィザード」を選びます。
ウィンドウ下部でプロジェクト名を指定し、「OK」ボタンを押すとウィザードが立ちあがります。

開いたWindows デスクトップ ウィザードでアプリケーションの種類を「ダイナミック リンク ライブラリ(.dll)」とし、追加オプションの「空のプロジェクト」にチェックを入れ、「プリコンパイル済みヘッダー」のチェックをはずし「OK」ボタンを押します。

項目
アプリケーションの種類 ダイナミック リンク ライブラリ(.dll)
追加オプション 空のプロジェクト チェックあり
シンボルのエクスポート チェックなし
プリコンパイル済みヘッダー チェックなし
セキュリティ開発ライフサイクル どちらでも

これでVisual Studioのプロジェクトが作成されますので、Visual Studio 2017のウィンドウの上部にあるソリューション構成を「Debug」「x64]に設定しておきます。

必要なソースファイルの追加

まずはじめにVST3.6開発で必要なソースファイルをSDKから追加します。

メニューから「プロジェクト」→「既存の項目の追加」を選び、下記のファイルを追加します。

  • C:\VST_SDK\VST3_SDK\public.sdk\source\main\dllmain.cpp

プロジェクト設定の変更

次にプロジェクトの設定を変更します。

作成されたプロジェクトでVST開発を行うには、VST SDKのヘッダファイルや前回作成したVST SDK基本ライブラリをプロジェクトで利用できるようにしなければなりません。

まず、プロジェクトの設定を変更するためにメニューから「プロジェクト」→「プロパティ」を選択します。

開いたプロジェクトのプロパティページの上部で構成を「Debug」、プラットフォームを「x64」になっていることを確認し、下記の項目の設定を行います。

カテゴリ 設定項目
全般 ターゲットの拡張子 .vst3
VC++ディレクトリ インクルード ディレクトリ C:\VST_SDK\VST3_SDK
C:\VST_SDK\VST3_SDK\vstgui4
ライブラリ ディレクトリ C:\VST_SDK\VST3_SDK/build/lib/Debug
C/C++ プリプロセッサ プリプロセッサの定義 VSTGUI_LIVE_EDITING=1
DEVELOPMENT=1
(すでに定義されているものは消さないこと)
リンカー 入力 追加の依存ファイル base.lib
sdk.lib
vstgui.lib
vstgui_support.lib
vstgui_uidescription.lib
モジュール定義ファイル ./vst3.def

インクルードディレクトリはVST SDKファイルのフォルダになります。ここではCドライブ(C:\)に保存されている想定です。
ライブラリディレクトリはVST SDK基本ライブラリの入っているフォルダになります。ここではVST SDK基本ライブラリを作成してから移動していない想定です。

上記の設定が完了したら「適用」ボタンをを押します。

続いて、Release用の設定も行います。
プロジェクトのプロパティページの上部の構成を「Release」、プラットフォームを「x64」にし、下記の項目の設定を行います。

カテゴリ 設定項目
全般 ターゲットの拡張子 .vst3
VC++ディレクトリ インクルード ディレクトリ C:\VST_SDK\VST3_SDK
C:\VST_SDK\VST3_SDK\vstgui4
ライブラリ ディレクトリ C:\VST_SDK\VST3_SDK/build/lib/Release
リンカー 入力 追加の依存ファイル base.lib
sdk.lib
vstgui.lib
vstgui_support.lib
vstgui_uidescription.lib
モジュール定義ファイル ./vst3.def

設定が完了したら「OK」ボタンを押します。

モジュール定義ファイルの作成

最後にモジュール定義ファイル(.def)を作成します。VST3開発ではこのモジュール定義ファイルが必要になります。

メモ帳などで下記の内容を記載し、「vst3.def」とファイル名を付けて保存することでモジュール定義ファイルが作成できます。
保存先はプロジェクトのソースコードなどが保存されているフォルダに保存してください。

VSTプラグインのディレクトリ

プロジェクトの設定とは直接関係ありませんが、作成したVST3プラグインは下記のVST3専用フォルダへの移動・コピーしなければ使えません。

C:\Program Files\Common Files\VST3\Steinberg\

最後に

以上でVST3.6開発用のVisual Studioプロジェクトを作成することができます。

次回は最小構成のVST3プラグインを作成いたします。

 次回→最小構成のVST3

VST3.6プラグインの作りの情報はこちらにもございます → はじめてのVST3.6プラグインの作り

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